かみいち総合病院院長
かみいち総合病院糖尿病センター長
内科部長
浦風 雅春(うらかぜ まさはる)
~プロフィール~
かみいち総合病院糖尿病センター内科部長
内科部長
小橋 親晃(こばし ちかあき)
~プロフィール~
このたび、平成22年10月からかみいち総合病院に、あたらしく糖尿病センター(富山県内の自治体病院としては唯一)が開設されることになり、糖尿病センター長として私、浦風が、また糖尿病センター内科医長として小橋が就任することになりました。
かみいち総合病院では、これまで、久保正名誉院長が糖尿病診療に大変な御尽力をつくされてこられましたが、そのことが糖尿病センターを新たに開設することになった大きな要因だと思います。久保先生がこれまで築いてこられた上市町での糖尿病診療をしっかりと引き継ぎ、さらに充実・発展させ、糖尿病患者様の治療の改善・合併症の予防・健康寿命の延長に少しでも貢献することが、この糖尿病センターの使命であり、責務と考えております。微力ではありますが、センター長として、センター内科医長小橋とともに、精一杯、努めてまいりたいと考えておりますので、皆様のご指導・ご鞭撻をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
国際糖尿病連合によると、糖尿病患者は日本だけでなく、全世界で増加しており、また一方で、世界では10秒にひとりが糖尿病によって命を奪われており、その対策が急務となっています。日本では、糖尿病患者が700万人、予備軍を含めると約2200万人の患者が推定されており、年間、約14000名が、糖尿病性腎症によって血液透析導入となり、約3000名が糖尿病網膜症により失明し、約3000名が下肢切断となっています。その対策に関し、厚生労働省では「糖尿病の医療体制構築に係る指針」を策定し、日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会による糖尿病対策推進会議が構成されています。富山県でも県医師会を中心に糖尿病対策推進会議がたちあげられ、富山県での糖尿病診療実態調査が実施され、県内各地での糖尿病診療の連携について検討が重ねられています。
そこで、かみいち総合病院糖尿病センターでは、糖尿病専門外来数を拡張し、糖尿病教育入院を充実させ、より多くの糖尿病および糖尿病予備群・メタポリックシンドロームのフォローアップを可能にしたいと思います。糖尿病治療は、その人に適した治療が必要です。一人一人は、原因、病歴、家族歴、身長、体重、仕事、合併症の有無とその程度が同じではありません。個々に適した治療法の選択を患者様と共同作業の上、病態に応じた最も適切な医療、『テーラーメイド医療』を提供していきたいと考えております。このきめ細やかな『テーラーメイド医療』を提供するために、糖尿病センターでは糖尿病学会認定の糖尿病指導医・専門医を中心に、糖尿病療養指導士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、理学療法士などからなる糖尿病センター診療スタッフを組織していきたいと考えております。そして、他診療科との連携をこれまで以上に密にして、よりきめ細やかな診療サービスに努め、スタッフによる看護外来、インスリン自己注射指導、運動療法指導、糖尿病教室、栄養指導、フットケア指導などのサービスをさらに充実していきたいと考えています。
これからの糖尿病診療は、病診連携が極めて重要です。普段は、かかりつけの医院やクリニックに通院しながら、定期的な合併症検査や血糖コントロール不良時の教育入院またはシックデイのときなどは、かみいち総合病院糖尿病センターに通院や入院するといった診療形態を構築していくことが重要と考えます。糖尿病センターでは、近隣の医院やクリニックとのパートナーシップ関係を充実し、かみいち地区全体の病診連携をすすめていきたいと考えています。
また、糖尿病診療だけでなく、高血圧や脂質異常症など生活習慣病全般にわたっても専門性の高い医療サービスを提供していきます。さらに、保健行政にもかかわり、中部厚生センターと共同して疫学調査や糖尿病発症予防策を考慮していきたいと考えています。さらに、私自身は、内分泌専門医・指導医と甲状腺専門医の資格も有していますので、将来的には、内分泌疾患や甲状腺疾患の診療も充実させていきたいと考えております。
新しく開設されたばかりの「かみいち総合病院糖尿病センター」ですが、今後、かみいち地区での糖尿病診療に中心的な役割を果たしていけるように、精一杯、努めてまいりたいと考えておりますので、あらためて、皆様のご指導・ご鞭撻をいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
このたび、糖尿病センターが開設されることになり、新しく就任されるセンター長の浦風先生、医長の小橋先生、その他コメディカルスタッフとともに協力し、地域に根ざした糖尿病教育・指導に取り組みます。
その中で、患者さんやそのご家族も看護の対象とし、“学習しよう”“生活習慣を変えよう”という気持ちを持っていただけるようインスリン自己注射指導・運動療法指導・糖尿病教室・栄養指導・フットケア指導などを行い、みんなで支援を行います。
また、糖尿病患者会「りんどうの会」をより活性化させ、情報交換や親睦を図り、様々な形で糖尿病治療に役立て、地域住民に信頼され、医療情報発信のできるセンターを目指していきます。