令和6年(2024年)4月1日付けでかみいち総合病院の院長に就任いたしました佐藤幸浩です。
平成17年(2005年)に当院の内科医として赴任してから、健診センター長、家庭医療センター長、医療安全管理室長等の職を経ながら、長年、当院のある中新川郡及び上市町の医療に携わらせていただきました。
院長として気持ちを新たに、住民の皆さまの生活を支える医療を提供し、地域の発展に尽力したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
当院は、一般急性期病棟1棟51床、回復期リハビリテーション病棟1棟48床、地域包括ケア病棟1棟49床、精神科病棟1棟51床の199床を配置し、急性期病院、在宅療養支援病院及びへき地中核病院としての役割を担う中新川郡で唯一の公立病院です。治す医療(急性期・亜急性期)から支える医療(回復期・在宅)まで切れ目のない「治し支える医療」を患者さんに提供できるよう地域密着型の病院として、近隣の医療機関・介護福祉施設や行政との連携を強化しています。
当院は富山大学、金沢大学等の各医局から医師を派遣いただき、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、内科、外科、乳腺外科、消化器外科、血管外科、神経精神科、小児科、産婦人科は常勤医が担当し、皮膚科、形成外科、脳神経外科、泌尿器科は非常勤医が担当しています。内科では循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、血液内科、感染症科、脳神経内科、膠原病内科、腎臓内科の数多くの専門分野の医師による診療のほか、富山大学総合診療科の医師による総合的な診療を受けることもできます。
整形外科では、骨粗しょう症治療に使用する骨吸収抑制薬の副作用の発症リスクを減らすため、当科と町内の歯科医院が連携し、骨粗しょう症治療の開始前に歯科スクリーニング(検査)及びそれに伴う歯科治療を実施する「かみいちモデル構想」を運用し、他の医療機関のロールモデルになっており、その取組は町外の医療機関にも徐々に拡大しています。
また、当科では、北陸で初めて人工股関節置換術においてAMIS(最小侵襲侵入法)を採用し、既に数多くの症例に対し実施しております。この手術方法により、患者さんにとっては、術後の痛みが少ないこと及び早期の回復を期待することができます。
産婦人科では、助産師等が不足し、令和4年(2022年)10月以降、分娩業務を休止しておりますが、その後も引き続き、妊娠された方の外来での診察、健診等を行っているほか、町福祉課と協力して、産後のお母さんに対して心身のケアや育児の支援をサポートする産後ケア事業の充実を図る等して、地域に根づいた産科事業を行っています。
外科では富山大学との協力のもと「乳がん先端治療・乳房再建サテライトセンター」を設置し、大学病院と連携した乳腺、乳がん診療が行えるようになっているほか、医療連携協定により診療体制の充実を図っています。
病院外においても、令和5年度(2023年度)から地域住民の要望に応じ、健康づくりや専門分野の看護をテーマとした認定看護師による出前講座を開催する等の活動を積極的に実施しております。
また、超高齢化社会に向けて、住民の方々が最期まで望むところで暮らし続ける生活を実現できるよう、総合診療科の専門医を中心として訪問診療を行っているほか、当院は、在宅療養支援病院として地域の医師会と連携し、開業医の在宅医療、在宅看取りのサポートにも取り組んでいます。
「住民が安心して地域で暮らし続けるための医療の砦として私たちの病院が存在する」という当院の理念の下、皆さまの生活に寄り添い支える医療に取り組んでいくことが当院の役割と考えており、これからも安心して生活できる地域づくりに貢献できる病院であり続けられるよう鋭意努力してまいります。
院長 佐藤 幸浩